時期は、4月も中盤になり、昨年度の大学受験で惜しくも希望の大学に行けなかった人達は、今頃来年の受験に向けて心機一転浪人生活を送っていることと思う。
浪人生活を送っている人達は、昨年の受験に失敗した人達であろうから、自分の受験勉強がこれでいいのか、どういう生活を送っていけばいいのか、不安な人も多いだろう。
ましてや世間では新型コロナウイルスが猛威を振るっていて、予備校もやっていないという状態。先が思いやられて、もうすでに胃が痛いという人がいることも想像に難くない。
そこで今回は、予備校での浪人、大学での仮面浪人という2年間の浪人生活を送ってきた浪人界のプロである私(自称)が、これから浪人生活を送っていくうえで
"これだけはしといた方がいい”
ということを紹介していきたいと思う。
浪人生活中にすべきこと
友達は作った方がいい
まず、浪人生活を送る浪人生は、友達をしっかり作った方がいい。
「いや、オレは今年一年だけは一人でやるって決めたから」
という人もいるとは思うが、そういう人にこそ、考えを柔軟にして友人を作ることをおすすめしたい。
なぜ友人を作ることを勧めるかというと、ペースメーキングが出来るからである。
友人と勉強をしていれば、お互いに刺激を与えることが出来る。出来ない問題を教え合ったり、過去問に取り組む時期など、自身の受験勉強に対して、批判的な目を持つことが出来るのである。
私は2年間浪人生活を送ったが、受験失敗へと繋がる大きな要因となったのが、「友人を作らなかったこと」だと思っている。
田舎から東京に出て浪人生活を送った私は、周りに友人がいなかった。
しかしだからこそ今年は一人で勉強しようと意気込んだ。
ただ黙々と一人でやると、自分の殻に閉じこもってしまう。
自分の勉強を相対化することが出来なくなってしまうっていた自分がいた。
だからこそこれから浪人をする人たちにはぜひ友達を作り、切磋琢磨してもらいたい。
そして、友人を作るにしてもちゃんと自分を律することが出来るような人と友達になったほうがいい。
予備校で浪人をしている人の中には、「オレこの予備校三年目だから」といった浪人のぬし的存在もいるが、そういう人は怠惰な生活に慣れてしまって、浪人の目的を失ってしまっているケースも少なくない。
何年目だろうが、そこは構わないが、しっかりと勉強する意思を持っている人の近くにいないと流されてしまう恐れはある。
ただ、結局は同じよくうな人同士で友達になる傾向はあるので、自分がしっかり意思を強くもっていれば、自ずと友人もそういう人が集まってくるだろう。
仮面浪人の場合には、友人を作ることは容易ではないが、その時は高校の友達で浪人をしている友人などと積極的に会うのも大事であると思う。
過去問は定期的に解いといた方がいい
これはほんとに言いたいのだが、過去問は定期的に解いておいた方がいい。
私の経験上、浪人することになった人ほど過去問を軽視している嫌いがある。
私も例にもれず過去問を軽視していた。
これは有名な話だが、孫氏の『兵法」に
敵を知り、己を知らば百戦して危うからず
という言葉がある。
これは、敵の事をしっかり知ることで始めて自分の弱点が分かるんだよ、ということを言っている。
大学受験の世界でもこれは本当にその通りで、受験問題は大学ごとにそれぞれ"クセ”がある。
また更に学部ごとにもクセがある。
全問記述式の問題があるのに、マーク式の勉強ばかりやっていても本番で戦うことが出来ない。
相手が大なたを振り回しているところに脇差しで勝負に行っても負けてしまう。
相手に合わせた勉強法が必要なのである。
早期に、また定期的に、自分の受ける予定のある過去問を解き、自分の受験勉強の方向性と弱点を確認しておくことは、非常に重要なことであると思う。
これは模試を受けることよりも重要である。
運動はしといた方がいい
運動が、脳の活動効率を高めることは科学的に立証されている。
哲学者や科学者の多くが、散歩を趣味にしているというのは有名な話である。
京都大学のある京都市左京区には銀閣寺があるが、その近くに「哲学の道」という散歩道があり、京大の哲学者たちはその道を歩きながら考え事をしていたといわれている。
浪人をしているとなかなか、運動をする機会がない。
勉強ばかりをしていると自分で思っている以上に脳が疲れてくるため、意識的に運動する機会を取らなければならない。
散歩でもいい。週一回でもいいから30分から1時間ほど運動することをおすすめする。
サッカーなり、バドミントンなりの激しいスポーツを定期的に出来るなら申し分ない。
私はというと、2浪目の時には精神的にかなり参っていたのだが、散歩をすることで、ぎりぎりのラインで精神を保つことが出来た。
散歩は命の恩人である。
行きたい学部関連の本は読んでおいた方がいい
いざ大学に入学してみると、自分の学部がやりたい学問ではなかった、興味が持てない、という人が意外に多いことに気づく。
その原因は、入学以前に自身の興味などについて深く考えずに、偏差値やネームバリューだけで選んでしまっていることにあると思う。
非常にもったいないなと思って見ていた。
大学の学問に興味が持てない、授業が楽しくないとならないためにも、入学前に自身が入ろうと考えている学部関連の本を一冊だけでも読んでおくことをおすすめしたい。
特に浪人生は時間に余裕がある。何冊か、他の学部関連の本も読んでみると、自分がほんとに興味のある分野はどこなのかということが分かってくると思う。
勉強のモチベーションを高めることにも繋がるし、本を読むことで気分転換にもなる。
一石二鳥である。
まとめ
老婆心ながら、今回は浪人生にアドバイスしたいことを書いた。
勉強の参考書ならば、書店に行けばいくらでもあるが、浪人生活の過ごし方や大学受験に対する考え方を教えてくれる本はなかなかない。
大学受験がゴールとなってしまわないためにも、浪人生活が意義のあるものとなることを願うばかりである。