【受験】浪人を検討するうえで知っておきたい3つのスタイル

 

大学受験においては、一言に浪人と言っても様々なスタイルがあります。

本記事では、実際に2種類の浪人スタイルを経験した浪人界のサラブレットこと私が、実体験を踏まえながら浪人を検討するうえで知っておきたい3つのスタイルを紹介したいきたいと思います。

 

 

 

 

予備校での浪人

受験浪人の中でも最も一般的なのが、予備校に通いながら浪人するスタイルです。

K塾やS台なんかの大手予備校に通って、来年度の大学受験での合格を目指します。

これらの予備校は学生に講習をとにかくたくさん取らせてめちゃくちゃ高い授業料を取っていく集団

やはり一流の講師を豊富にそろえているので授業がとにかく面白く、予備校に行きたくなります。個人的には予備校の一流講師以上に面白い授業は人生の中で経験したことがありません。

予備校側がある程度予定を組んでくれるので、勉強のモチベーションを維持できたり、浪人生活を管理してくれます。なにより同じような浪人生が集まってくるために精神的にも安定しますし、友人も作りやすいです。

「浪人するって決めたけど、何をすればいいのかわからない…」という人はもう迷いなく予備校に入ってもらって結構です。

 

ただし、営利集団ということには注意が必要です。

予備校に通うことの最大のデメリットは、とにかくお金がかかることです。

一年間で100万以上の費用が掛かるため、資金が潤沢でない方は通うのが厳しいのが現実です。また夏期講習や冬季講習などの講習期間中は、必要のない授業まで取るように進めてくることも多々あります。そこは強い気持ちをもって必要がないと思ったら断りましょう。

 

費用が掛かるというデメリットを除けば、 いくつかある浪人スタイルの中でも最もおすすめです。

 

宅浪

一方で宅浪という選択肢もあります。自宅浪人の略です。これは予備校にも大学にも通わずに自宅や近所の図書館、カフェなどで一年間受験勉強をするタイプの浪人方法です。

このスタイルは、最もお金がかからない浪人方法ではありますが、一人で一年間受験勉強をするという孤独な闘いになるため、本田圭佑選手ばりのメンタルの強さが求められます。

それだけではありません。勉強の進捗管理や予定確認、自分を律する厳しさなど、徹底的に自分と向き合うことが求められます。

たがが一年、されど一年。しんどさでいえばトップレベルです。

宅浪成功の難易度は、ドリブルをしているメッシからボールを奪うぐらい難しいでしょう。

 

実は私の友人にも宅浪をしていた人がいました。その人は実際、大学には合格することは出来たものの、浪人時代に精神に傷を負ってしまいました。

個人的には一番おすすめしない浪人スタイルです。

 

ただ、そうはいっても、お金もないし、大学に受かっているわけでもないという人もいるでしょう。

絶対におすすめはしませんが、もし宅浪を選択するというならばある程度、宅浪を成功に導くための戦略があります。

 

まず一つ目に、一年間で絶対に崩れないルーティンを作りだすことです。

「毎日決まった時間に必ず図書館に行く」とか「朝8時におきて、散歩をする」など毎日することならば何でもいいです。なぜこれが重要かというと、人間は必ず自分に負けてしまう生き物なので、ルーティンを作っておかないとひたすら怠惰な毎日を送ってしまうからです。

またルーティンを作っておけば、入試間近で緊張が高まってきた時でも落ち着いて勉強することが可能です。

ラグビー日本代表の五郎丸選手が、ゴールを決めるためにルーティンを行っていたのと同じ論理です。

 

二つ目は、家で勉強をしないことです。

とにかく浪人は孤独な闘いです。ともすれば自分に負けそうになってしまうでしょう。そんな時だからこそ他者からの視線というのは非常に大事です。自分を律するという意味でも、社会に属しているという感覚を持つ意味でもです。

今はカフェや図書館、有料の自習室など家の外でも勉強出来るような空間がたくさんあります。少しお金はかかってしまうかもしれませんが絶対に毎日家の外に出ましょう。

 

三つ目は毎日必ず誰かとしゃべることです。

宅浪の大きなデメリットの一つが自分と社会の関わりが絶たれてしまうことです。通常の予備校浪人生ならば受験勉強だけをしていればいいですが、宅浪生は自分のメンタルケアにも全力で取り組まなければなりません。取り組むべき問題が増えるので、難易度が上がるんです。

そのメンタルケアとして、「誰かと必ず毎日話すこと」が重要です。

これは経験者には分かると思いますが、誰かと話さないと憂鬱な気分になってきます。誰かとの関係性の中に自分を位置付ける必要が人間にはあるので、これは意識的にやってください。

 

仮面浪人

 最後は仮面浪人です。これは私が体験した浪人スタイルでもあります。

宅浪と同じく、難易度がかなり高い浪人スタイルです。

仮面浪人とはなんや、はよ説明しろ、という声が聞こえてくるので説明します。

 


「仮面浪人」とは、大学に通いながら別の大学を受験するために受験勉強をすることです。

例として挙げるとすれば「早稲田大学に通いながら東京大学を目指す」、だとか「東京大学に通いながら他大学の医学部を目指す」といったものが挙げられます。

 

どの浪人スタイルにもメリットとデメリットがありますが、それは仮面浪人も同じです。

まずメリットとしてあるのが、再受験に失敗しても戻ってくる場所(大学)があることです。大学に初年度1年間通いながら再受験をすれば、たとえ失敗したとしても大学2年生へとなるだけです。ここは大きなメリットとして挙げられます。

 

 

 

一方でデメリットとしては、大学での勉強と並行して受験勉強を進めなければならない点があります。特に毎週のように実験やレポートのある理系の方は辛いかもしれません。文系学部でも辛いですが。

加えて、周りが大学生活を満喫している中で、いかに自分を保っていくかという問題もあります。なかなか仮面浪人を打ち明けられる友人がいなかったり、受験勉強と大学生活の両立が難しかったりと精神的にハードな局面が度々訪れます。

仮面浪人の7割はこの厳しさから、夏までに辞めるとも言われます。

 

加えて先ほど挙げたメリットもデメリットに成り代わります。

受験に集中するために、仮面先での大学生活を捨てたはいいものの、受験が失敗し、来年も大学に残ることになった場合には、本当の意味での居場所がどこにもなくなってしまうからです。そこをうまく”やれる”人は別ですが、なかなか厳しいのが現実です。

 

そしてこれは余談ですが、私が見た限りでは、私を含めて「大学に戻ってこれる」というメリットが欲しいがために仮面浪人という選択肢を選んだという人はほとんどいないです。親御さんから大学進学を嘆願されて、泣く泣く仮面浪人を選んだという人が多数派です。

(子供の頃は毎日のように勉強しろと言われたのに、浪人を続けるうちにもう勉強しないでくれと言われたと言っている人もいました。(笑))

 

また仮面浪人は、最悪の場合は仮面浪人に失敗して、大学も中退、また予備校に入りなおすという事態にもなりえます。

 

仮面浪人を選択するうえでも、気をつけるべきポイントは先ほどの宅浪とほぼ同じです。宅浪よりも社会性が担保される分、器用さが求められるかなといった感じです。

 

 

 

 

そして、私についてですが、私は予備校での1年目の浪人生活を終えて、2年目に国立大学に通いながら都内の私立大学を目指して仮面浪人をしていました。

仮面浪人時の話はこの記事で書いています。

 

www.gakuchika-zisui.com

 

 

浪人全般に言えることですが、浪人すると決めたからには自分の人生についてしっかり考える必要があります。「考えたうえで決める」というのが重要です。これは経験者である私の考えです。

 

そしてもし浪人をすると決めたら、家族や友人と良好な関係を築くことも重要です。想像以上にメンタルをやられますし、なにより誰かの助けなしに浪人を成功させることは不可能です。